宮崎刑務所(宮崎市)は23日、受刑者を収容した保護室の室温を上げて虐待し記録を改ざんしたとして、幹部職員5人を特別公務員暴行陵虐と虚偽公文書作成容疑で宮崎地検に書類送検した。このうち元処遇部長の男性(当時55歳)は事件の捜査中に自殺している。福岡矯正管区は元処遇部長を除く4人と当時の畑江裕二所長(57)を懲戒処分にした。
送検されたのは元処遇部長の他に、本村敬彦・元主任矯正処遇官(47)=懲戒免職▽同首席矯正処遇官(46)▽52歳と36歳の統括矯正処遇官の2人=以上停職6月。畑江元所長は減給2カ月(10分の1)の処分にした。
容疑は、08年7月24日午後3時ごろから約24時間にわたって、保護室に収容した50代の男性受刑者を懲らしめるため、床暖房を入れて室温を38度に上げて虐待。さらに、本村元主任矯正処遇官が記録表の室温「38」をつぶして「28」に書き換えたほか、刑務所の監査で男性受刑者が苦情を申し出た際、5人は新たに新しい記録表を作って虚偽の公文書を作った疑い。
5人は「日ごろから態度が悪く、懲らしめるためにやった」と容疑を認めているという。受刑者の体調に異常はなかったという。
福岡矯正管区が昨年11月に、不適正処分の疑いがある別のケースを調査中に発覚。元処遇部長は、取り調べを受けていた今年3月2日に遺書を残して自殺した。調べに「明らかな虐待だったので、分からないように記録書を作り替えた」などと供述していたという。
福岡矯正管区の国吉高虎・第1部長は「組織ぐるみととらえられても仕方がない。非常に申し訳ない」と話している。【川上珠実】
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